俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 藍生

藍生(アオイ)

結社理念

藍生冊子
全会員平等・同人制なし。募金募集なし。俳句作家集団として全国にネットワークを。

主宰者

藍生主宰 黒田 杏子
黒田 杏子(クロダ モモコ)
1938年東京都生まれ。東京女子大学卒。山口青邨門。博報堂で「広告」編集長などを務める。俳誌「藍生」主宰。「件」(くだん)同人。日経俳壇選者。現代俳句女流賞・俳人協会賞・蛇笏賞など受賞。句集・著書多数。

連絡先

藍生俳句会
住所
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2 九段ロイヤルビル7F
TEL
03-5216-6015
FAX
03-5216-7239

主宰の100句

1 白葱のひかりの棒をいま刻む
2 磨崖佛おほむらさきを放ちけり
3 稲妻の緑釉を浴ぶ野の果に
4 かよひ路のわが橋いくつ都鳥
5 小春日やりんりんと鳴る耳環欲し
6 母の幸何もて糧る藍ゆかた
7 涅槃図やしずかにおろす旅鞄
8 立読みのうしろに冬の来てをりぬ
9 暗室の男のために秋刀魚焼く
10 休診の父と来てをり崩れ梁
11 縄とびの子が戸隠山へひるがへる
12 かの世とてこの世に似たり薄紅葉
13 ずんずんと冷え声明のこゑの中
14 一人より二人はさびし虫しぐれ
15 くらがりへ祇園囃子を抜けにけり
16 かまくらへゆつくりいそぐ虚子忌かな
17 ひかり合ふ生簀の夜の囮鮎
18 瓜揉むやふたりのための塩加減
19 そば掻きやかなしきときのさらし葱
20 強がりの日記果てんとしてゐたり
21 能面のくだけて月の港かな
22 まつくらな那須野ヶ原の鉦叩
23 一の橋二の橋ほたるふぶきけり
24 稲光一遍上人徒跣
25 花に問へ奥千本の花に問へ
TOPへ
26 寒牡丹大往生のあしたかな
27 鳥雲に入る骨片のひかりかな
28 たそがれてあふれてしだれざくらかな
29 水澄んでひとりの母となりにけり
30 ふたり棲む節分草をふやしつゝ
31 涅槃図をあふるる月のひかりかな
32 あたたかにいつかひとりとなるふたり
33 飛ぶように秋の遍路のきたりけり
34 身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな
35 いちじくを割るむらさきの母を割る
36 真清水の音のあはれを汲みて去る
37 この冬の名残の葱をきざみけり
38 ひとはみなひとわすれゆくさくらかな
39 冬麗のたれにも逢はぬところまで
40 なつかしき広き額の冷えゆける
41 日光月光すずしさの杖いつぽん
42 花満ちてゆく鈴の音の湧くやうに
43 初夢の向こうから来る我に逢ふ
44 奥の院まで月光の涅槃雪
45 日の惠み月の励まし冬櫻
46 どの谷のいづれの花となく舞へる
47 十六夜の雲割つて飛ぶ一遍忌
48 とほき日の葱の一句の底びかり
49 永き世をふたり長き夜なるふたり
50 いつかふたりいづれひとりで見る櫻
TOPへ
51 時雨聴くやうにまなぶた閉ぢられしか
52 冬麗の句座冬麗の微笑佛
53 木葉髪この世いよいよ佳境とも
54 署名して為書をして冬銀河
55 梅東風や句帳一綴杖一本
56 乾杯ののち瞑目の花筳
57 天地人この世のおぼろ花おぼろ
58 郭公と啼き郭公とまた応ふ
59 青梅雨の高野たそがれ鐘わたる
60 白扇をひらけば星野立子の句
61 利き酒ののち真清水を汲み交はす
62 夢の外までいちめんに露の玉
63 草庭の三千坪の露浄土
64 長命無欲無名往生白銀河
65 三光鳥大瑠璃小瑠璃結願す
66 水底の冷一幹の櫨紅葉
67 読み選み書きて話して年つまる
68 定住漂泊大根榾崩るる
69 みちのくの山河人々寒銀河
70 節分草母を敬う曰なりけり
71 紅梅の風白梅の朝の風
72 日本人鬼怒鳴門百千鳥
73 雨燕山廬の炉火を絶やさずに
74 花満ちて西行櫻月満ちて
75 満月やいづこより余花二三片
TOPへ
76 新茶捧げむ絶筆の銀屏風
77 蕗あをく煮て金環の日と月と
78 暁闇や夢の出口の草を引き
79 梅を煮て満行の日のはるけしや
80 父の手紙父への手紙束涼し
81 夕焼の沖へ沖へと行つたまゝ
82 還り来よ襤褸のごとく夕焼けて
83 出離者のもの書く机螢籠
84 山百合のひらきつぐ香を山姥忌
85 蛇笏忌の果なき銀河山河かな
86 どの径をゆけどあしたの蟲淨土
87 月奔り出す一面の野分雲
88 十三夜幸田弘子の立姿
89 金婚の日をふるさとに神迎
90 雪雲を抜け大白鳥茜さす
91 ゆく年やラジオの声のとこしなへ
92 雪に生れ雪に存へ雪籠
93 狐火の村に育ちし兄妹
94 若き母の炭挽く音に目覚めをり
95 秩父山國寒満月朗朗
96 月光の羽黒山より雪女
97 月の夜も月無き夜も筆写して
98 煤逃の月の港に船を待ち
99 白河につどへば後の月夜酒
100 ひとにふるさとふるさとにしぐれ雲

俳句の殿堂INDEXへ戻る

このページの先頭へ