俳句の殿堂

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貝の会(カイノカイ)

結社理念

貝の会冊子
有季定型、鑑賞にも重点を置く。
平成23年12月に師系の曲水は終刊したが、師系を継続するべく「白日抄」で一人一句を貝の会会誌に掲載。
また俳句に関連したことを学ぶ場として、毎月1回「洋子と語る会」を開き、洋子主宰の講話と出席者による互評をして研鑽を続けている。

主宰者

貝の会主宰 澤井 洋子
澤井 洋子(サワイ ヨウコ)

  • 昭和17年
    兵庫県神戸市生まれ
  • 昭和48年
    澤井我来創刊(47年)の貝の会入会
  • 平成12年
    「貝の会」主宰継承
  • 平成17年
    大阪俳人クラブ理事
  • 平成20年
    読売新聞兵庫よみうり文芸俳句選者・読売神戸文化センター俳句教室講師・神戸芸術文化会議常任委員
  • 平成23年
    兵庫県俳句協会会長就任・俳人協会会員・大阪俳句史研究会会員
  •  
【句集】『白鳥』
【合本】
『澤井我来人と作品』

連絡先

住所
〒651-1212 神戸市北区筑紫が丘5-2-10
FAX
078-583-9447

主宰の100句

1 草餅や吉野の店は奥深き
2 鳥獣の声ひそめをり修二会なる
3 水取やあまたの九輪光り合う
4 筆太に世紀を越ゆと初日記
5 黒点の白鳥全音符となり来
6 遠くより嬰の泣き声節分会
7 きらめいて抹茶の泡の新樹光
8 一匹の蝉の叫喚始まれり
9 女人高野のお守り届く春の昼
10 一片の落花の音色ピアニシモ
11 灯を消して恋ふくらます花の宵
12 水色のトローチ甘し春の風邪
13 七叉路の交差点は赤春一番
14 退屈な檻のライオン山笑ふ
15 一ト本の躑躅咲き分く赤と白
16 恋猫に気怠き昼の日ざしかな
17 呼吸根木仏となせり大夏木
18 沙羅の花老師の眼前過ぎりけり
19 もてなしは山女篠の子瀧の音
20 耳門より入りて武蔵の庭涼し
21 大潮にまだ間のありて雲の峰
22 夏の雲隣りあはせの死をふつと
23 目つむればちちははと見し花火かな
24 空を飛ぶ園児の願い星祭り
25 ぬばたまの闇に蛍の眠りをり
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26 野にあれば風音となるちちろ虫
27 秋日傘鮫の来るてふ海見つむ
28 新米や鞍馬の山椒煮匂ひたつ
29 百幹の明るさにあり竹の秋
30 黄昏の風の棲みつく白芙蓉
31 きちこうの里は日輪まで蒼し
32 老師の前憚り使ふ秋扇
33 ふつくらと茶の花日和友来る
34 芽の赤き冬木の中より人現るる
35 暮れ残る花菜に想ふ地震津波
36 春寒し津波の中に燃ゆる家
37 子を母をさらひし津波春の星
38 しんしんと地震鎮魂の春の雪
39 くれなゐの薄るる早さ春の虹
40 漁り火のはやばや消ゆる春一番
41 古青磁に虹彩残し桜冷へ
42 風に戦ぎさざ波なせる老桜
43 血筋てふ不可思議なもの霾れり
44 冴へ返る壺に三つの小さき耳
45 男結びの小包届く花の昼
46 沙羅一花数多の落花へ重なりし
47 労られ刀自の出で来しお田植祭
48 世紀末のハンカチーフに泪痕
49 夏野来し少女の廻すオルゴール
50 薫風や三角形の薔薇切手
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51 一瞬の夕日留まるカンナの緋
52 偲ぶこと多くなりけりつづれさせ
53 風なきに白き小菊のふれあえる
54 松手入れ雲になりたる白きシャツ
55 愛染明王憤怒のうらの秋思かな
56 ユトリロの銜え煙草やパリは秋
57 枯れ草にかろがろ留まる雀かな
58 雪蛍詩仙の庭に紛れけり
59 夜寒の灯忘れ形見として座せり
60 一粒といへど仏舎利春まぢか
61 目鼻なき地蔵抱きて冬木の根
62 寒桜東の高野鎮もれり
63 つぎつぎと風の零せる初雀
64 芒漠と還らぬ月日古日記
65 見目のよき巫女より給ふ初神籤
66 エスの蹠に赤き釘痕春の雷
67 大広場に吾は異教徒鳥の恋
68 夕永しヴィヴァルディの路地誰も知らず
69 リラ匂ふリド島に船待ちをれば
70 春の雲遠くにありて彩なさず
71 灯点せばきらり蒔絵の雛調度
72 寂光の白さとなりて朝の梅
73 梅枝を透けて石山ねぢれをり
74 花房のまだ幼くて朝の風
75 淀みたる松葉に交じる花筏
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76 うすら氷や流れの容そのままに
77 新緑の光りと影に入りゆく
78 乳母車降りて歩む児若葉風
79 全開のシャワー熱かり走り梅雨
80 音高く初夏の浜辺の均さるる
81 田植花歩き遍路は天を見て
82 百選の尼寺を抜け滝の道
83 身を濡らす全山覆ふ青紅葉
84 甘露甘露岩の滴り一滴
85 清流にきらめく日の斑夏若し
86 焼酎のオンザロックで乾杯す
87 古書店の扉の軋み男梅雨
88 燈籠の影を深めて赦免花
89 鎧窓閉ざす洋館花蘇鉄
90 掌に蛍の命つつみけり
91 小鳥来る官庁街の日曜日
92 秋空を太陽の塔の目より見る
93 秋茄子を俳書の次に購へり
94 吾も鬼の子父恋ひの句を詠みて
95 冬茜移動図書館帰りゆく
96 神無月ことろことろと日の暮るる
97 昼深き丹波も奥の濁り酒
98 句の道に満足はなし寒卵
99 人の世の振出しに似て絵双六
100 ちちははの知らぬ世を生き初日記

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