俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 山彦

山彦(ヤマビコ)

結社理念

山彦冊子
自然にやさしく生きる歓びを、自由な発想個性豊かに、先ずは楽しく俳句を詠もう。

主宰者

山彦主宰 河村正浩
河村 正浩(カワムラ マサヒロ)
昭和20年山口県生まれ。
昭和45年大中祥生に師事し「草炎」に入会。昭和62年松澤昭に師事し「四季」に入会。平成6年「山彦」を創刊。
【句集】
『青年』『茫茫』他9冊。

連絡先

住所
〒744-0024 下松市花岡大黒町526-3

主宰の100句

1 老婆の冬村の診療所は快晴
2 ダム光り父の放尿冬鮮明
3 父祖の愛煮つめ冬陽の俘虜となる
4 鳶の輪を背負ひ青田に熟れる母
5 青年の尿り湧き立つ天の川
6 妻の椅子深く紅さす北の旅
7 畦焼の母くろぐろと踊りだす
8 鯛の目を舐める秋雲いつも置き
9 春の森いきなり潜水艦に会ふ
10 罠仕掛けきて秋蝶の絶え間なし
11 毛蟹喰む母は田草をとる手つき
12 法話聴く利き耳徐々に散る桜
13 一揆の血燃やし青田の風を見る
14 囀りや一気に手放す父祖の山
15 子を抱いて鬼くる村の曼珠沙華
16 新藁を焼く落日の耳火照り
17 口ほどの放蕩できず牡丹見る
18 磯洗ふ冬濤透ひて来る船団
19 窯出しの壺が耳たて春障子
20 人を焼く煙まつすぐ蝌蚪の水
21 大笑ひして炎天の影法師
22 蝌蚪売られ街に黒人兵溢れ
23 あやとりの中から芹の匂ひたつ
24 石蹴つて行くおぼろ夜の水溜り
25 花粉症の眉つりあげてピエロ老ゆ
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26 活字混む炎天埴輪の貎で行く
27 二ン月のずしんと句碑の蒼さかな
28 人たむろして花の空がらあきに
29 死して軍神寒暮の島や昭和果つ
30 寒卵わつて目鼻をととのへる
31 薄水に転がつてゐるうさぎの目
32 藤波へ無病息災ひらひらす
33 をちこちに御歌さくらの貌でゐる
34 をちこちに御歌さくらの貌でゐる
35 前略の筆折つてゐる梅雨鴉
36 万葉のねむりおちゆく蓮の花
37 カンナ炎えまなうら痒い異人館
38 散る花に飛び出してくる憂国論
39 萍に父軍艦の見えるらし
40 広島忌語りつくして寄りそふ木
41 ひぐらしや湖の蒼さへ鳴きにくる
42 鈴の音に入つてゆきし枯野原
43 もつ食みて月に肝胆照らさるる
44 七人の敵呼びこんで紅葉山
45 行く春の砂にこぼるる火の匂ひ
46 小春日に木々のこんとん漂へる
47 日脚のぶ高田馬場で御座候
48 なむなむと父まぎれこむ桃の花
49 夕ざくら父をやさしく殺めをり
50 ふと父の戻るが如く蛍来る
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51 煮凝りにあつちこつちのうらみ節
52 そめるよしのにしんそこ惚れてまどろみぬ
53 夕日が友達こんとんと眠る山
54 くさめしてあさくさのりにたどりつく
55 くくたちのうすぼんやりに突きあたる
56 やまびこのひそと遊んでゐたいらし
57 ひらかなでなぜなぜなぜの春の雪
58 瑞穂なるそのひとところピカソの目
59 いつも端つこばかりにゐて春の雪
60 落ちてくる鮎敗兵に似て焼かれ
61 はんめうにつかずはなれず真人間
62 うぐひすのつもり山頭火にあらず
63 うとさぎのはなしは月のみやこまで
64 賑やかに酔ふ年男らしく酔ふ
65 金木犀天下盗つたるやうな顔
66 風狂に少し深入り薬喰
67 父の忌へ人参紅く紅く澄む
68 木の芽みな宙へ宙へとダリの空
69 本流となりて急がぬ春の川
70 後生など言はんといてや鰻割く
71 喪の家でたらふく食べて後の月
72 信長の首を小脇に菊師来る
73 たまきはるいのちゆつくり初湯かな
74 ………みんな無言にずわい蟹
75 原人の眼で探す蕗の臺
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76 散る花に少し退屈まぎれ込む
77 賞味期限切れしままなり原爆忌
78 蝉の木に群がつてゐる淋しい眼
79 歩くつていい何時までも木の実降る
80 軽くなるふぐりへ落葉しぐれかな
81 人を焼く間も飲み喰みて梅二月
82 春の月ふはり天女の忘れもの
83 静けさも繭になる音荒格子
84 よくもまあ真葛原とや休耕田
85 満月の落ちて来さうな話しぶり
86 新蕎麦をすする五臓六腑ですする
87 たもとほり行きつくところ桐一葉
88 病む妻のゆく年寝息澄む
89 妻よ笑つてごらん雪の降る夕べ
90 春一番亡き妻宛に便り来る
91 海鼠腸をすすり思はずうふふふふ
92 妻と会ふ夢の中まで雪景色
93 刃物研ぐ六月の海蒼すぎる
94 葡萄潰し少し野性の目覚めたる
95 年の瀬や包丁研いで研いでゐる
96 元日の朝湯ふぐりの大胡座
97 注連明や海がそろそろ嚏する
98 亡き妻の姙りし夢春の雪
99 凡百の戯れなどと青き踏む
100 陽炎のなほその先に南無帰命

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