俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 夕凪社

夕凪社(ユウナギシャ)

結社理念

夕凪社冊子
先師伊藤踞石の掲げた「流派超越、地方俳壇の充実」に「真を深く新しく」と「一人一派」を加え理念としている。

代表者

夕凪社代表 飯野 幸雄
飯野 幸雄(イイノ ユキオ)
昭和15年広島生まれ
昭和36年「同人」入会
昭和45年「万緑」入会
昭和56年「夕凪」入会
平成14年「夕凪」代表
句集に『原爆忌』
俳人協会員

連絡先

住所
〒734-0004 広島市南区宇品神田1丁目5-25
FAX
082-251-5020

代表の100句

1 永遠の核爆発図として初日
2 雪の碑へ鳩は反り身で舞ひ降りる
3 地を歩むやさしき眼が武器冬の鳩
4 一羽が一語平和唱へよ冬の鳩
5 冬空へ乏しき愛語吐きにけり
6 截然と藺草田黒し冬の水
7 寒の川都心の影を削ぎくだる
8 一列の波崩るるや二月来る
9 四面楚歌めく二ン月の月光下
10 含羞に似て堅き空春立ちぬ
11 夕朧自ら唸りベース弾く
12 冬牡丹火を噴く島を囲ひとす
13 火の国の和草高き二月かな
14 火山灰(よな)降つて二月の海の彩真二つ
15 二月の葬列あをひとくさに天晴れず
16 被爆都市の天崩壊し黄砂降る
17 霾るは黄昏に似て被爆都市
18 マリーアントワネットかも知れぬ落椿
19 我が町に我が匂ひあり沈丁花
20 みな天を律儀に指して紫木蓮
21 剪れば又ひとつの宇宙かすみさう
22 春泥を契約印ごとく踏む
23 腹光らせ翔つ春の鳩合格す
24 山焼の終楽章なり疾走す
25 花の下歩めば余慶あるごとし
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26 母の掌に花びらたんと花童子
27 春喫泉の水の踊りに口づけぬ
28 をみならに羽化の輝き聖五月
29 潮騒は海の祝祭聖五月
30 かけつこに脱幼年期花うばら
31 新緑の四肢に纏る峡の道
32 新緑といふ名の神の絵の具かな
33 新緑は大いなる傘まどろみぬ
34 卯波深く一回転の青さかな
35 父の日やたつたひとりで街に出る
36 蜜蜂の蜜の彩して蜜吸へり
37 蛙鳴く棚田百段あるやうに
38 造影剤薄暑の中に飲み下す
39 時の日のみな美しくなる記憶
40 ダリ展を出て空梅雨の異次元へ
41 同色の梅雨空と碑と溶け合はず
42 梅雨寒の自販機釣銭を呉れず
43 天平の黴雨やも東大寺に降れり
44 七月の海の辺長き野辺送り
45 夏雲に包みて野辺は送るべし
46 数日のノート真白き夏の風邪
47 蟻の道曲直とともに破綻なく
48 ひろしまや夏川黒き波の襞
49 空の青即海の真夏の航
50 夏の霞海の道程遙かにす
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51 道を問ふ町に炎暑のあらけなし
52 朱の花は夜へ溶けざり夾竹桃
53 夾竹桃爆心同心円上に
54 啼く鳩の暁よりせつせつ広島忌
55 鳩翔ちたる地は灼けて白ひろしま忌
56 灼かれ続けゐて噴水総毛立つ
57 激しやすき夜の噴水ひろしま忌
58 噴水の徒労の泡消えひろしま忌
59 空で溶けてしまふ噴水原爆忌
60 ひろしまの碑へ噴水の沸騰す
61 噴水のはたと力の抜けにけり
62 灼けて立つ碑ははらからの名を列ね
63 数多の碑同じ供華置き原爆忌
64 碑を芯に藻の池清めひろしま忌
65 ひろしまの碑に夏草の許されず
66 碑に雲の天蓋ひろしま忌
67 爆心は人の踏まぬ地雲の峰
68 流燈を容れ煮えたぎる川となる
69 夏草に疲れの見えて敗戦日
70 校塔に高く十二時敗戦日
71 敗戦日是非なく鳴かな夜の蝉
72 夕凪や次第太りに来る電車
73 我がことは皆些事心太まぼる
74 突立つ白髪からませ抜きぬ八月尽
75 ビル今朝の影と寂光爽やかに
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76 出雲秋北に片寄る雲重ね
77 稲架襖連ねて暮るる奥出雲
78 野牡丹の散華を被く草いろいろ
79 虫鳴くや闇を壺中の天地とす
80 鉦叩闇に何月消えゆけり
81 海と空展く砂丘に秋の風
82 蟷螂の頬やせてをり獺祭忌
83 街ぐるみぐるり注連縄秋祭
84 怒るやるにアメリカ楓の紅葉かな
85 今にして狭き校庭黄落す
86 院展のすぐその人と知る絵かな
87 立冬や我が眼に昴ひとつ星
88 冬の凪船下手から上手かな
89 キャロル来て去れり聖夜の闇深む
90 時雨降る時てふ目盛なき闇に
91 立ち枯れの草に小春の風甘し
92 形なき冬の墓表ぞ平和の火
93 原爆ドームの影に色なし冬落暉
94 この冬のこのまま永遠か核の冬
95 牡蠣打女語りかければ片笑みや
96 生かされて牡蠣吹く泡の消え易し
97 牡蠣鍋といふ豊かさよ煮え始む
98 また旧の木阿弥根深汁を吹く
99 歳末の有象無象になりに出る
100 歳晩や鬼籍薄めいて住所禄

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