愚陀佛庵 インターネット俳句会

結果発表

過去の結果発表

選者の八木健デザインの「ハイクアート」を特選受賞の方にお送りします 。
ハイクアートは、ホームページから印刷することもできます。


2012年3月の結果

特選(14句+俳句アート)  秀逸(13句)  入選(20句)

※今回は佳句が多数ありましたので、特選句を増やしました。

 特選作品のハイクアートは、画像をクリックすると拡大表示されます。
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【特選】石鹸玉空気にかたちありとせば(柚) 八木健からのコメント:空気はかたちがない。あるとしたら石鹸玉のようなものだろう。なぜなら石鹸玉の正体は空気だけなんだから。石鹸玉から発想した句である。

【特選】愛の絵馬かたかた鳴らす春の風(小川 達也) 八木健からのコメント:絵馬に恋の成就を願う文言が書かれていて、春嵐の力を借りて片思いが両思いになるようにとアピールしているというわけで、落ち着きのない絵馬。

【特選】南瓜切るにつちもさつちも刃の食ひて(三橋 百笑) 八木健からのコメント:南瓜切るにつちもさつちも刃の食ひて南瓜に捕まった包丁ですね。「につちもさつちも」を『にっちもさっちも南瓜切らむとした包丁』としてもよろしいですね。

【特選】蜥蜴出で己の縞にほれぼれし(田中 章子) 八木健からのコメント:蜥蜴の衣装の見事をたたえた擬人化の句ですね。擬人化は滑稽句の技法としてはかなりの「スグレモノ」ですね。作者の思いを蜥蜴に託す手法。

【特選】濤音をこぼさぬやうに栄螺焼く(麗子) 八木健からのコメント:「さざえ」の煮汁を「波音」に見立ててうまい句ですね。対象をこんな風に「詩的」にとらえる才能はかなりのものですね。凄い。

【特選】かろやかにしろつめ草に身をまかす(蔦 恵) 八木健からのコメント:「しろつめ草」はクローバーですね。ふんわりとした草の絨毯に仰向けに寝たのでしょうか。自身の行動を描きながらしろつめ草を賛美している。

【特選】人妻の手作り弁当青き踏む(久我 正明) 八木健からのコメント:「人妻」は作者の夫人のこと。鷹羽狩行の句に『スケートの濡れ刃携え人妻よ』がある。夫人のことである。

【特選】野火猛り少年時代蘇る(髙橋 勝) 八木健からのコメント:猫は身近な存在で「けもの」の実感がないだけに恋猫の季節にはやはり「けもの」だったかと驚くことが多い。手負いの猫にけものを感じたのだ。

【特選】いのちとは子猫のやうに弾むもの(瀬戸 順治) 八木健からのコメント:子猫が「はずむ」様子に「生命」を感じたのである。「とは」と説明的に描いたのがこの句を面白くした。身辺には俳句に詠む材料はいくらでもある。

【特選】啓蟄やあんよはお上手赤い靴(大澤 良二) 八木健からのコメント:啓蟄の季語をうまく生かしている作品である。赤い靴は春先に歩きだす。とりあわせは異なる二つのものがどこかで結びあう。例えば地下水脈。

【特選】この空をわがものとして穂たんぽぽ(今城 夏枝) 八木健からのコメント:たんぽぽの「穂」が空に旅立つ。その様子を「わがものとして」と描いたのは、それほどにたくさんの穂わたが飛び立ったということだろうね。

【特選】船影を見せては隠す霞かな(高橋 勝) 八木健からのコメント:自然を詠うにも擬人化の手法は滑稽俳句的になり、きわめて有効である。伝統俳句ならば『船影の見え隠れして霞かな』となるのであろうが。

【特選】あつちこつちで水道工事春の宵(山本 賜) 八木健からのコメント:春宵の「千金のひととき」を水道工事音で邪魔されている風景。春宵のプラスイメージを水道の工事音のマイナスイメージで裏切つた滑稽句。

【特選】列島を一刀両断春一番(伊東 昭) 八木健からのコメント:大自然のパワーを描いた句である。一刀両断は春嵐が日本列島を銃弾したということ。一刀両断で切ることで力強い句となっている。

【特選】蝌蚪の群気丈な嫁を押し戻す(入江 澄泉) 八木健からのコメント:「気丈な嫁」といあう世俗的表現が俳諧である。おたまじゃくしも 

難しく描くといかめしくて 気丈な嫁を押し戻すパワーが出てよろしい

秀逸

かたことに雛飾りしを告げにけり 本田 純
職人の技に答ふる雛の口 大澤 良二
魚島の時期に沸きたつ漁師街 箕輪 恵三
紋白蝶列車待つ間の里の駅 篠崎 克己
飄々と流れに任せ草の餅 瀬戸 順治
春の蚊の坊主に負けず経を読む 田中 章子
風評を吹き飛ばせるか春嵐 三塚 不二
ふるさとの土の香りや鳥帰る 高橋 勝
ぶらんこの気息しだひに行き違ふ 麗子
意地悪は愛に似たものリラ匂ふ
たんぽぽやチャンバラの子は孫五人 三橋 百笑
点滴の落ちては撥ねるシクラメン 久我 正明
青き踏む耶馬台国の在り所 大澤 良二
校舎静まる雪投げの雪足らず 入江 澄泉

入選

捨てられし梅林意地の早咲きや 三橋 百笑
春月の付き添ひてくる塾帰り 伊東 昭
春一番山の霞か目の塵か 高津 卓矢
絵馬堂の絵馬は写真に春の雲 本田 純
梅日和ぞろぞろと来て静かかな 久我 正明
インコ逝き家ぢゅう春愁もらひけり 篠崎 克己
荷風忌やケーキ六等分とはむずかし
向き合わぬ阿形吽形山笑う 瀬戸 順治
待合の椅子ひんやりと暮の春 三塚 不二
ほっこりと春の筍栗のよう 高津 卓矢
春うらら探す眼鏡は頭上かな 小川 達也
春めいて土暖か芋植える 高津 卓矢
春の潮幼帝呼ばふ声ばかり 麗子
藩校に育つ楷の木芽吹きけり 小川 達也
枝枝に丸をつけたるこでまりよ 今城 夏枝
池之端なれば見頃の花吹雪 箕輪 恵三
水音の笑ひさざめく雪解村 伊東 昭
竈神の眼は鮑貝木の芽吹く 本田 純
池之端花散り初むも佳かりけり 箕輪 恵三
ふつふつと満ちたる五体木の芽時 高橋 勝
啓蟄と思えぬ冷えに虫たじろぐ 入江 澄泉


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